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U-6 力なき正義は無力
  国連に強権を与えること

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U‐6  力なき正義は無力
  国連に強権を与え、
自衛隊も国連軍に再編すること

 
世界はモノとヒトとカネが自由に動く自由都市と伝統的な領邦国家に分かれる。
シンガポールのような自由都市を直轄領とし自由都市貿易で財政基盤を確立・独自の軍を持つ新たな国連を創設したい。

自衛隊も国連軍として再編し、日本の防衛と世界の平和維持軍として活用したい。
 また、米国にも米軍基地を維持する力も無くなってきている。
 米軍基地を国連軍基地にした方がロシアや中国や北朝鮮から攻撃されるリスクは少なく、防衛費も節減できると考える。
   
   *国連軍については次の論説を参考にしてください。
  見果てぬ夢,国連常設軍 ─国際公共目的に向けた軍事的強制の現代的諸相─
  佐藤哲夫・一橋大学名誉教授  法学博士(一橋大学) 法律外交修士(フレッチャー法律外交大学院)
  "https://www.jstage.jst.go.jp/article/yearbookofworldlaw/30/0/30_1/_pdf"

国連の緊急展開能力強化と常設軍構想の意義・限界 国際公共政策研究. 2007, 12(1), p. 93-109 阪口規純・東京国際大学教授 博士(国際公共政策)大阪大学
  "https://hdl.handle.net/11094/9283"

   戦後日本における世界連邦の構想
   -長谷川如是閑と石橋湛山の言説を中心に- 新美貴英・安田女子大学講師 博士(学術)(早稲田大学)
   " https://www.jstage.jst.go.jp/article/soes/40/0/40_117/_pdf * *

ウクライナ東部やガザのような係争地は新国連の統治下に置き、その帰属は国際裁判所に判断させたい。
先住民族問題解決にはアメリカの“部族国家・部族政府”が最も優れているが、限界がある。
“部族国家・部族政府”を国連の統治下に置くことも検討したい。

1)ガザ紛争での国連の努力は評価できるが、極めて無力であること

2023年123日現在で、イスラエルとハマスの戦闘が再開され激化している。

ガザ紛争は核戦争や世界大戦の引き金になりかねない。

 

ガザでの紛争においてもウクライナ戦争と同様に国連の無力が再確認された。

安全保障理事会における常任理事国の拒否権により国連は機能していない。

*(ガザ即時停戦の安保理決議案、アメリカの拒否権で否決…日本は賛成2023/12/09

https://www.yomiuri.co.jp/world/20231209-OYT1T50067/?from=yhd&ref=yahoo

 【ニューヨーク=金子靖志】国連安全保障理事会は8日午後(日本時間9日午前)、イスラエルとイスラム主義組織ハマスとの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザでの即時停戦を求める決議案を採決した。米国が拒否権を行使し、決議案は否決された。(中略)

 決議案は、アントニオ・グテレス事務総長が国連憲章99条に基づき、安保理に停戦を要請する異例の措置を講じたことを受けたものだったが、不調に終わった。

否決理由について、米国のロバート・ウッド国連代理大使は「現実から 乖離(かいり) した不均衡な決議案だ。ハマスのテロ攻撃を非難していない」と述べた。採決で反対したのは米国のみで、日本やフランス、中国など13か国が賛成した。英国は棄権した。決議案には約100か国が共同提案国に名を連ねた。決議案ではガザの壊滅的状況に「深刻な懸念」を表明し、民間人の保護やハマスが拘束している人質の即時解放を求めていた。*

 

しかし、国連はガザ紛争では人道支援では存在感があり、無力でもその努力は評価できる。

(参考:20231018日配信 国連事務総長、パレスチナ市民への集団的懲罰批判

’https://www.afpbb.com/articles//3486806?utm_source=yahoo&utm_medium=news&cx_from=yahoo&cx_position=r1&cx_rss=afp&cx_id=3487628’

 

10/21() 配信 “ガザ支援物資の搬入遅れ、国連総長が検問所視察” 

https://news.yahoo.co.jp/articles/b6cd05a647f4b4fd428c68c06e66e81654e23ac4

11/7() 配信 “「ガザは子どもたちの墓場になりつつある」 国連事務総長が「人道的停戦」訴え

https://news.yahoo.co.jp/articles/cce9fb1d0d6a752fc9c9c59d7ba595b0a927a600’)

 

けれども、ハマスがガザ地区を統制し資金を確保しているといわれ、国連などの学校・病院建設・運営費用支援が、ハマスの統治費用を減らし、ハマスの軍事作戦支援する。

*出典:イスラエルがハマスを助けた?…「人道的支援が軍事資金に」

https://news.yahoo.co.jp/articles/3545241a1bbe1d83b15feaf51e4a43f0f5990912*

 

ガザのような紛争地の治安の維持には国連が国連軍を派遣して直接統治する必要がある。

ガザ紛争ではハマスだけでなく、イスラエルにも国際法違反が目立つ。

しかし、この国際法違反が裁判所に訴えられることも無い。

国際法が形骸化している。

現在の国際司法としては、国際商業会議所の下部組織である国際仲裁裁判所があるが、判決に強制力が無い。

 

ロシアのウクライナ侵攻でも、国際裁判所はプーチン容疑者に逮捕状を出したが、次のようにロシア内務省は国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子裁判官を逆に指名手配している。

 

2023318 'https://www.tokyo-np.co.jp/article/238858'

 国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)は17日、ロシアが侵攻中のウクライナから子どもの連れ去りに関与した疑いがあるとして、プーチン大統領に戦争犯罪の容疑で逮捕状を出した。

 

2023727日  'https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB27A9T0X20C23A7000000/'

タス通信は27日、ウクライナ侵攻に絡んでプーチン・ロシア大統領らに逮捕状を出した国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子裁判官をロシア内務省が指名手配したと報じた。

 

 

*国際商業会議所:1920年創設の各国商業会議所,企業,経営者の世界的連合機関。各国の全国組織の商工会議所が会員,商工会議所がない国では企業や経営者が参加している。国際商事紛争の調停機関があり商工業、輸送,通信,商慣習等の問題について解決を求め,政策提案を政府に行う。出典:ブリタニカ国際大百科事典*

 

▼常設仲裁裁判所 国際商業会議所の下部組織で、複数の国の紛争を解決する。同裁判所の判断に一方の当事者が従わない場合、もう一方の側は強制執行することができる。常設仲裁裁判所は相手国が拒否しても手続きを進める。常設仲裁裁判所は国家・私人・国際機関間の紛争における仲裁・調停・国際審査を行う。業務は国際法と国際私法の両領域を含む。(出典: ウィキペディア 常設仲裁裁判所)

1899年に採択された国際紛争平和的処理条約に基づき設立。

外交上の手段によっては処理できない国際紛争を仲裁裁判に付す(1907年に修正条約が採択)。現在の締約国数は121か国。

常駐裁判官はおらず,各締約国は裁判官を任命し名簿に登録できる(国別裁判官団)。締約国以外であっても,訴訟当事者となれる。 

 国家間紛争のみならず,国・私人間の紛争,国際機関が一方の当事者となる紛争に対しても開かれている。(出典:外務省

https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100028770.pdf)

常設仲裁裁判所、国際司法裁判所(ハーグ平和宮)

 

国家間仲裁例としては比中仲裁裁判,

ガイアナ対スリナムの海洋境界画定事件等

がある。また、ガイアナの国土の3分の2以上

を占め、石油資源が豊富なエセキボ地域の

領有について1899年に国際仲裁裁定が

ガイアナの領土と認めたが、ベネズエラは

この裁定を否定し、2023123日、

ガイアナのの領有についてベネズエラが

国民投票を実施、圧倒的多数の賛成を得た。

米軍は2023127日、ガイアナへの協力を表明、

緊張が高まっている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/94e92c368154776047cfbca136dc9e749f6b079c

 

また、イスラエルとパレスチナとの2か国共存を期待する声は多い。

しかし、パレスチナ政府はイスラエルに比べ無力で腐敗もしている。

次の論説で述べられているヨルダン川西岸の入植問題についても国際司法の判断を期待したい。

 

*イスラエルを止められない国々が持ち出す夢物語「二国家解決案」、

パレスチナ国家の樹立を阻むのは拡大したユダヤ人入植地   (薬師寺 克行 東洋大学教授)

12/7() 6:02配信 ‘https://news.yahoo.co.jp/articles/c1ea8286ab069d10591120f206e342226eea6a62

 

 イスラエル軍によるガザ攻撃が再開され、状況の悪化がさらに深刻になっているイスラエル・ハマス紛争は、収束の道がまったく見えない状況が続いている。  そんな中、主要国の間で「イスラエルとパレスチナ国家が平和共存する」という「二国家解決案」が活発に議論され始めた。激しい戦闘のさなかに、互いに相手を国家として認めるという現実離れした夢物語のような話がなぜ今、国際社会で取り上げられているのか。(中略)パレスチナ側を代表するパレスチナ解放機構(PLO)はイスラエルを国家として認め、イスラエルもガザとヨルダン川西岸にパレスチナ暫定自治政府を置くことを認めた。同時にイスラエル軍が占領地から撤退することも盛り込まれた。残念ながらオスロ合意の描いた平和への道筋はわずか2年後、和平推進の中心人物だったイスラエルのラビン首相が暗殺されたためにあっけなく頓挫してしまった。以後、イスラエルは和平に積極的だった労働党が国民の支持を失い、代わりにパレスチナに対する強硬論を掲げる右派が台頭してきた。現在のネタニヤフ首相もその勢力の一人で、極右政党や宗教政党と組んだ連立政権はイスラエル史上最も右派の政権と言われている。(中略)パレスチナ側はヨルダン川西岸とガザ地区が分裂し、ガザはイスラエルの存在を否定するハマスが支配し、イスラエルに対する攻撃やテロを続けている(中略)アメリカのバイデン大統領はネタニヤフ首相に繰り返し「二国家解決案が唯一の答えだ」と主張している。EU(欧州連合)のボレル外交安全保障上級代表をはじめ英仏など欧州の主要国首脳も相次いで二国家案の支持を表明している。(中略)

そんな中でイスラエルもパレスチナも一度は合意した二国家解決案は、一見説得力を持っているように見える便利な方策なのだ。  残念なことにオスロ合意から30年たち、パレスチナ問題をめぐる状況は大きく変化しており、仮に現在の紛争が停戦にこぎつけたとしても二国家解決案は簡単に実現しそうにはない。  (中略)  またイスラエル政府はヨルダン川西岸でのユダヤ人による入植を積極的に進めている。現在、70万人以上が入植し、約60%の土地は事実上、イスラエルが支配している。その結果、パレスチナ人のエリアは飛び地でわずかに点在しているだけになっている。

■新たな対立を生むのか、入植の現状を追認するのか  仮にオスロ合意と同じようにヨルダン川西岸全域をパレスチナ国家にするとなれば、入植した70万人のユダヤ人は出ていくことになるのか。それは新たな対立を生むだけだ。だからと言って現状追認でパレスチナ人が住む飛び地だけを新しい国家とすれば、それはもはや国家としての体をなさない。つまり入植地拡大が事実上、ヨルダン川西岸のパレスチナ国家樹立を不可能にしているのである。(中略)

またパレスチナ国家を作るとしても、現在のパレスチナ側にまともな統治主体がないことも大きな問題だ。  今回の(中略)ヨルダン川西岸を統治する立場にある暫定自治政府は、汚職と腐敗でほとんど当事者能力を失った状態にある。(中略)ヨルダン川西岸でもイスラエル軍や入植者によるパレスチナ人への弾圧が目立っている。相互不信、憎悪の極限状態にある両者に任せても状況は改善されず、永遠にテロと武力攻撃が続くだけだ。だからと言って妙案があるわけではない。紛争をイスラエルとハマスの問題に封じ込めないで、深刻な国際問題と認識し、国連など国際機関や主要国が連携して本気で取り組む段階にきている。主要国は二国家解決案などという夢物語でお茶を濁すのではなく、とにかくイスラエルに圧力をかけて戦闘を止めることから始めるべきであろう。

 

*『公益財団法人 中東研究会』調査研究政策提言 116 パレスチナ:ヨルダン川西岸地区の壊滅的状況

公開日:2023/10/31 ‘https://www.meij.or.jp/kawara/2023_116.html’ (協力研究 岡 豊)

 

2023107日以来、ガザ地区での戦闘や人道状況の悪化が国際的な関心を集めているが、ヨルダン川西岸地区でも状況が悪化している。(中略)パレスチナの囚人関連団体が30日に発表したところによると、107日以降にヨルダン川西岸地区でイスラエル軍に逮捕された者の数は、1700人近くに上る。(中略)入植者の一部は、現在の

状況に乗じてオスロ合意の際に「C地区」(注:ヨルダン川西岸地区の61%を占める。イスラエルの制圧下にあり、PAの権限やパレスチナ人による行政サービスの管理は及ばない)と定められた地域からパレスチナ人を一掃することを企画し、住民の追放や家屋の破壊を進めている。イスラエルの人権活動家によると、これまでの「C地区」で

通算150平方キロメートル(注:ヨルダン川西岸地区の総面積は5660平方キロメートル)の土地から住民が追放されている。

同地区の治安権限はイスラエルが持つが、イスラエルの軍・警察は入植者の行為に干渉しないばかりか、

入植者を警備している。

(中略)同地区では過去数年来、イスラエルの入植地の拡大やPAの機能の低下により、住民の生活環境が悪化の一途をたどっていた。現在も、PAはヨルダン川西岸地区のラーマッラーを拠点に外交活動を行い、諸外国の閣僚も同地を訪問しているものの、ガザ地区の状況についても、ヨルダン川西岸の諸都市の状況についても事態改善やイスラエルとの交渉の当事者たり得ていない。また、PAは数万人規模の治安部隊を擁しているものの、本来治安部隊の権限は「自治区をはじめとするパレスチナ内部の治安維持」であり、イスラエル軍の自治区侵入や入植者による侵害行為を防止する機能を果たしていない。(中略)ヨルダン川西岸地区でパレスチナ自治の形骸化、PAの無力化、パレスチナ人の追放や土地の収奪が一挙に進むことは、長期的に大きな禍根となるだろう。

 

また、米国第一を掲げるトランプ氏の「3割も岩盤」は今も健在で、トランプ氏の復権を支える。

(出典:2023116日 日本経済新聞)

米国には世界の警察官を務める余裕は既に無いのではないかと考える。

 

国にも利害があるが、裁判には公平性と中立性が求められる。

各国の利害が絡む国境を越えた政治や経済の紛争は国際法と国際裁判所で判断させたい。

しかし、判決を担保する強権が欠かせない。  

そのために国際司法の判断を担保する軍事力と経済力等を国連に持たせたい。国際社会は米国に代わる世界の警察官・調停役・裁判官の役割を国連に求める。

国際連盟が終わり、国際連合が誕生したように、新たな国連が求められる。

 

 

 

 

2)ガザ紛争ではウクライナ侵攻と違い、国際社会はイスラエルや米国に厳しいこと

 

ガザのパレスチナ人に「ジェノサイドの危険」、国連専門家が停戦訴え 2023113

https://jp.reuters.com/world/mideast/5ZDDKM7NUNKLPOLCM2I64WVGOE-2023-11-03/”

[ジュネーブ 2日 ロイター] - 国連の独立専門家グループは2日、パレスチナ自治区ガザの人々が「ジェノサイド(大量虐殺)の重大なリスク」にさらされているとして、人道的な停戦を訴えた。

 

イスラエル・ハマスの戦闘は「テロ」 教皇発言にユダヤ系団体反発

20231124() 毎日新聞 配信 【ブリュッセル岩佐淳士】

https://news.yahoo.co.jp/articles/fc8ef713f288c83e89382e807c5574796eb92028

「ローマ教皇フランシスコがイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘について「戦争を超えたテロ行為」にエスカレートしていると述べ、ユダヤ系団体から反発を招いている。

 ロイター通信によると、教皇は22日、バチカンのサンピエトロ広場での一般謁見でイスラエル・ハマスの戦闘を「戦争を超えている。これは戦闘ではなく、テロ行為だ」と非難した。そのうえで双方が「激情に駆られて皆殺しに及ばないよう」祈りを捧げるよう信者らに求めた。

 これに対し、イタリアのユダヤ教団体は「攻撃する側と攻撃される側を同列に並べている」と抗議した。米国ユダヤ人協会(AJC)は「イスラエルの自衛はテロではない」と反発。米ユダヤ系人権団体サイモン・ウィーゼンタール・センターも「(戦闘開始以降の)すべての苦しみはハマスの耐えがたい行動によるものであることを忘れてはならない」と教皇の発言を批判した。

 バチカンのズッピ枢機卿は23日、「教皇はすべての人を同一視しているわけではない。イスラエルの(戦闘の)動機について理解している」などと釈明した。」

 

  20231110() 配信 RESIDENT Online

“アラブ人は400年間、平和に暮らしていたのに「パレスチナの飛び地・ガザ」が主戦場になった歴史的理由”

https://news.yahoo.co.jp/articles/d760ec53bdf47f770a004d6f87663f8ac8a37c8f

戦史・紛争史研究家 山崎 雅弘氏は次のように指摘する。

「ガザは1987年にイスラエル軍に対するパレスチナ人の一斉蜂起「インティファーダ」が発生した場所だったが、それから20年が経過した後も、同地に住む人々の生活環境はほとんど改善されていなかった。」

「狭いガザ地区には、イスラエル支配地域から逃れてきた大勢の難民が流入し、その数はパレスチナ難民全体の26パーセントに当たる、19万人に達していた。」

 18年後の196765日、イスラエル軍はエジプトに対する奇襲攻撃と共に第三次中東戦争を開始し、ガザ地区は再びイスラエルの占領下に置かれることとなった。」

 「この戦争での大勝利により、イスラエルの国土は一挙に4倍以上へと拡大したが、ガザ地区では従来のパレスチナ難民に加えて、当初から同地に住んでいたパレスチナのアラブ人も、イスラエルの占領統治下で自由を奪われた生活を強いられることとなった。また、イスラエル政府は、ただでさえパレスチナ人の人口密度が高いガザ地区内にユダヤ人の入植地を次々と開設し、自国民のガザ地区への入植を積極的に推進する政策をとった。その結果、ガザに住むパレスチナ人はますます狭い土地へと押し込められた上、条件のよい肥沃な土地は、ほとんどがユダヤ人入植者によって奪い取られていた。

■精神的な拠り所となったのはハマスだった  職のないパレスチナの若者は、屈辱と不条理への憤りを胸に秘めながら、彼らが「自分たちの土地」と見なす場所に入り込んできたユダヤ人入植者の家を建てる建設工事に、作業員として従事せざるを得ない状況へと追いやられた。1987年の「インティファーダ」発生の背景には、こうしたガザのパレスチナ住民の間で鬱積(うっせき)した不満と怒りのマグマが存在していた。その後、1993年の「オスロ合意」と1995年の「オスロ・ツー」により、ガザをめぐる情勢は改善の兆しを見せたが、翌1996年に第一次ネタニヤフ政権が発足すると、イスラエルの政策は再び、パレスチナに対して非宥和的な方向へとシフトしていった。そんなガザ地区において、貧困と絶望の中で日々を暮らす人々の支持を集め、精神的な拠り所となっていたのが、アハメド・ヤシン師を指導者とする「ハマス」だった。」

 

しかし、西欧諸国、特にドイツにはユダヤ人への贖罪がある。

また、米国の支配階級にはユダヤ系が多く、米国政府はイスラエル支持を明らかにしている。

 

 3ガザを国連の統治下に置き、多国籍平和維持軍を独立した国連軍とすること

 

ハマスだけでなく、イスラエルもまた、国際法に反している。

しかし、国際法をハマスやイスラエルに遵守させる力は今の国連には無い。

国際法を順守させるだけの軍事力を持つ新しい国連が強く望まれる。

 

イスラエルと米国の間で、ハマス勢力を完全に除去した地上戦の後はパレスチナ自治政府がカザ地区の統治権を譲り受けて多国籍平和維持軍が治安を助けるという案が議論されているという。

(中央日報 11/9()配信 チャン・ジヒャン/峨山(アサン)政策研究院中東センター長)

https://news.yahoo.co.jp/articles/0af521387b89e706fc5a33c27541c9dd4232e23b

 

 しかし、パレスチナ自治政府も腐敗が噂され、パレスチナ人に信頼されていない。

これでは、アフガニスタンの二の舞になりかねない。

多国籍平和維持軍に治安を守らせるのであれば、イスラエルや米国を除いた国連軍を戦闘地域に進駐させ、ガザを国連の直接統治下に置き、国際裁判所で善悪を判断させるのが良い。

けれども、今の国連には安保常任理事国の拒否権等の問題が多く、正義を遂行できない。

 

また、多国籍平和維持軍といっても朝鮮戦争のように米国が主体ではパレスチナ人の信頼は得られない。

次のウィキペディアの記事にあるように朝鮮戦争の時に組織された多国籍軍(国連軍)は名前だけの形式的なものでしかなかったように思う。

*出典: 『ウィキペディア 国連軍 (朝鮮半島)

朝鮮半島の国連軍1950年の朝鮮戦争で組織された多国籍軍。2023年現在も活動中で、日本の横田飛行場に後方司令部を置く。(中略)

国連軍司令官と米韓連合軍司令官は兼職であり、アメリカ軍人がその地位にある。

結成当時、連合国軍の占領下にあった日本は国連軍に参加してはいない。

しかし、設置時の司令部は当時日本の占領を指揮していた連合国軍最高司令官総司令部の本拠地があった東京にある。1951年に吉田・アチソン交換公文が交わされ占領を脱した後の1954年に「日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定」(国連軍地位協定)が締結され国内に国連軍施設が設置された。1957年に司令部が韓国に移転した後、後方司令部がキャンプ座間に置かれ2007年に横田基地に移転した。1953727日の休戦時の国連軍総兵力は932,964人で、参加各国別兵力は韓国 590,911、アメリカ合衆国 302,483イギリス14,198、タイ王国 6,326、カナダ6,146、トルコ5,453、オーストラリア,282、フィリピン1,468、ニュージーランド1,385、エチオピア帝国1,271、ギリシャ王国1,263、フランス 1,119、コロンビア1,068、ベルギー 900、南アフリカ連邦826、オランダ 819、ルクセンブルク44

(国連軍後方司令部)

19577月、アメリカ太平洋軍第8軍司令部隷下の在日米陸軍・国連軍・第8軍後方司令部としてキャンプ座間に「後方司令部」が設置された。

19593月、「在日米陸軍・国連軍後方司令部」となり、2007111日、横田飛行場に移転した。(中略)後方司令部は地位協定に基づき「多国籍軍である」必要があり、歴代司令官はアメリカ軍以外の軍から派遣されることが慣例となっている。(中略)

2023年現在、後方司令部の構成国は、米国、英国、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、フィリピン、タイ、イタリア、カナダ、トルコの10か国である。

*国連軍 参考: ウィキペディア 国連軍』

国連軍は国際連合安全保障理事会(安保理)の決議によって組織された国際連合の指揮に服する軍隊を指す。国連憲章41条の定める非軍事的措置が不十分であると安保理が判定した場合、同42条に基づいて使用される軍隊である。国際連合憲章第7章においては、平和に対する脅威に際して、軍事的強制措置をとることができると定められている。憲章第42条で、安全保障理事会は国際の平和と安全を維持または回復するために必要な行動をとることができると規定されている。憲章第43条に従ってあらかじめ安全保障理事会と特別協定を結んでいる国際連合加盟国がその要請によって兵力を提供することになっており、安全保障理事会が当該兵力を指揮する。憲章第46条により安全保障理事会は軍事参謀委員会の援助により、兵力使用の計画を作成し、憲章第473項により軍事参謀委員会が兵力の指揮に関して助言する。これまで、この兵力提供協定を結んでいる国がないため、国際連合憲章第7章に基づく、安保理が指揮する国連軍が組織されたことはこれまで一度もない。

 また、将来的には日本の自衛隊も国連軍に参加することが期待される。

 

派遣海賊対処行動航空隊は海上自衛隊による部隊で、P-3C哨戒機2機による飛行隊と整備補給隊により編成され、ジブチ国際空港を拠点に活動する。

海上自衛隊から約30名、陸上自衛隊からは軽装甲機動車などを装備する約80名が参加し、基地業務と警護を担当している。

当初、航空隊はジブチ国際空港に隣接するアメリカ軍キャンプ・レモニエを拠点にしており、哨戒機は空港内に駐機していた。しかし駐機場まで移動に時間がかかり、夏には気温が50度を超える炎天下で整備を行っていたため、ジブチ政府から空港内の12ヘクタールを借りて整備用格納庫、宿舎、駐機場などを整備することになった。201161日には、自衛隊初の恒久的な海外施設となる基地が開設された。

20147月、派遣実施計画の見直しにより、「派遣海賊対処行動航空隊(DAPE)」の業務隊、警衛隊及び警務隊が分離し、「派遣海賊対処行動支援隊(DGPE)」が新編された。2017年には東側の3ヘクタールの土地を追加で借り上げ、面積は計15ヘクタールとなった。

なお、2011年に拠点として恒久化したことについて、「海賊の成敗は飽くまで名目上の目的であり、実際の目的は海洋進出を目論む中華人民共和国の牽制とシーレーンの防衛である」と指摘する者もいる。

2017年、中国人民解放軍海軍はジブチ港を拡張して建設されたドラレ港に初の海外基地となるジブチ保障基地を建設し、海賊対策任務を行っている。この基地が真珠の首飾り戦略のキーストーンの一つとみられている。

   (出典: ウィキペディア 「ジブチ共和国における自衛隊拠点」)

 

4ガザを強力な軍事力を持つ新国連が統治する国際自由貿易港とすること

巨大な軍事力を持つ大英帝国やトウイ・トンガ帝国は海上交易で栄えた。

過去の帝国交易を参考に、新国連直轄自由都市ガザを中心にした交易ネットワークの創設 

 

 先住民族問題の解決にはアメリカの部族国家・部族政府が最も優れている。

*「アイヌ部族国家・部族政府」 “http://rinoaguri.kir.jp/topic4.html#hpb-main

「インディアン・カジノ」「バリ島の先住民 バリアガ」“http://rinoaguri.kir.jp/topicb-4.html*

 

しかし、パレスチナ問題では次の論説にあるように94%のパレスチナ人が二国家解決案に反対している。

*二国家解決案の終焉―トランプ和平案が生み出す現実  020-03-02

https://www.jiia.or.jp/strategic_comment/post-1.html” 公益財団法人 日本国際問題研究所 

立山良司(防衛大学校名誉教授/日本国際問題研究所グローバルリスク研究会主査)*

 

将来はともかく、今は、パレスチナは独自の軍を持つ新国連の統治下に置いた方がよい。

ガザのような紛争地では“部族国家・部族政府”を国連の統治下に置くことも必要と考える。

 

また、イスラエルのジャッド・ネエマン映画監督が、ガザ地区を第二のシンガポールにすることを提案している。

(参考:20140218日付 al-Hayat

http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20140219_170155.html’)

ジャッド・ネエマン氏は著名な大学講師でもあり、ユダヤ人国家における業績に対する最高の栄誉として送られるイスラエル賞の受賞者の一人でもある。同監督は、イスラエルとガザの間の停戦を確実にするというもので、最終段階ではガザ地区を第二のシンガポールにするという。ネエマン監督は、「ハマース」に対して圧力をかけるための国際的な動きが必要であると考え、同監督は同組織に対して暴力的な闘争手段を放棄し、深海港や国際貿易センターをもった先進都市の建設にすべてを投資するよう呼びかけなければならず、そうすることでガザ地区はシンガポールのような都市に生まれ変わるとの考えを述べた。

ガザ地区とシンガポールの情勢比較について、ネエマン監督は「50年前、シンガポールは現在のガザ地区と同等と言っていいほど複雑な国家と見なされていた。また同国の面積はガザ地区の面積と比べて若干大きい程度でそう大差ない」と述べた。さらに同監督は、「1950年代後半のマレーシアの人口は、およそ150万人程度と現在のガザ地区の人口と近似していた。そしてその人口構成は、中国人、タミル人、マレーシア人、インド人から成っていた」と説明した。

 

ガザ地区をシンガポールのような自由貿易都市に変えるにしてもパレスチナ自治政府には力が無く、腐敗もしている。

イスラエル政府には力があっても、パレスチナ人を差別・虐待する恐れがある。

このため、国連に日本の戦後のアメリカ占領軍のような強権を持たせ、ガザ地区をユダヤ教徒とイスラム教徒が共存する自由貿易都市に変えられないかと考える。

「ガザをシンガポールのような国際自由貿易都市とし、国連が直接、統治すること」を提案したい。

 

 また、世界共通通貨は米ドルよりも、国連が管理する国際通貨が適している。

ユーロは、欧州連合(EU)加盟27か国のうち20か国で公式に導入され、国際通貨、外国為替市場で米ドルに次ぐ規模と取引を持つ。

米ドルよりは国際通貨にふさわしいが、ヨーロッパの各国の利害が他の国の利害と対立することもありうる。

 ビットコインのような分散型仮想通貨(暗号通貨)を世界共通通貨とするのも面白いが、公的な管理は必要ではないかと思う。

ビットコインには反社会勢力の麻薬取引や違法カジノに利用されていた過去がある。 

しかし、ビットコインはオンラインカジノに相性が良い。

また、カジノは米国のインデイアンカジノのように少数民族の救済に使うこともできる。

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ユーロやビットコインをモデルに国連が、世界各国で最も中立性の高い世界共通通貨を発行することが望まれる。

 

 また、次のように大英帝国とトゥイ・トンガ帝国は自由貿易で栄えた海上交易帝国である。

大英帝国とトゥイ・トンガ帝国を、各国に設けた自由都市を直轄領とし強力な軍隊を持つ新国連の参考にしていただきたい。

 

大英帝国は1607年のジェームズタウン建設以来、北米植民地およびカリブ海植民地との貿易を中心に栄えた。産業革命により、イギリスは自由貿易へと方向転換した。19世紀前半の大英帝国は自由貿易さえ保証されれば、植民地獲得を必ずしも必要とはせず、経済的従属下に置くものの必ずしも政治的支配をおこなわない非公式帝国を拡大していった。

自由貿易を維持しつつもドイツ帝国など後発工業国の追い上げを受け植民地拡大を行った。しかし、20世紀に入って各植民地が独自の外交権限を得ているが、英国の対南米政策にみられように、英国は政治上の支配を避けつつ経済の実権を握ることが多い。

 

また、大英帝国の植民地支配が世界中に広がったことで英語が世界の多くの地域で日常語、公用語として用いられるようになり、英語は事実上の国際語、世界共通語として用いられるようになった。大英帝国は、その全盛期には全世界の陸地と人口の4分の1を版図に収めた世界史上最大の面積を誇った帝国であったが、第二次世界大戦後、イギリスは各植民地を独立させることでイギリス連邦を発足させ、超大国の地位から離れた。

そして、1997年のイギリス最後の植民地・香港返還をもって帝国は終焉したとされる。

また、大英帝国の住民は人種・肌の色を問わず、帝国内での自由な移動・居住を保証された。非ヨーロッパ系住民でも自己利害のために有効に活用できた。インド独立運動の指導者として高名なガンジーも3年間ロンドンに留学し、法廷弁護士の資格を取得している。

帝国内部での自由な移動と居住の保証が大英帝国隆盛の大きな要因となった。しかし20世紀になると白人系植民地では白人至上主義が台頭。移民の排斥が進むとともに帝国内での自由な移動が阻害され、帝国は世界帝国としての特性を失っていくことになる。

(出典:ウィキペディア イギリス帝国)

 

トゥイ・トンガ帝国はオセアニアにおいて大きな勢力を誇った大首長国(領域交易圏帝国)である。トンガタプ島のトンガを中心とし、首都をムアに置いていた。海洋国家としての側面も強く、その最盛期には、交易帝国はニウエからティコピアに広がり、その影響圏は更に広大な領域に及んでいた。

 

 

ポリネシアの地図1 : ハワイ ; 2 : ニュージーランド 3 :イースター島 ; 4 : サモア ; 5 : タヒチ

トンガの航海カヌー

 

 

トンガの交易帝国は紀元950年頃に形成され始めた。

10代トンガ大首長であるモモ王と、その息子トゥイタトゥイ(第11代大首長)のもと、交易帝国は、フィジーの全域とサモアの一部を含むまで拡大した。帝国は、国境前線を拡張し続けて行き、西ポリネシア、中央ポリネシアの全域と、メラネシアのある部分、そしてミクロネシアを含むまでになった。交易帝国は、その最盛期にあっては、3百万平方キロメートルを越える海洋領域にその影響を及ぼした。帝国の直接支配下になかった多数の地域は、貢税を納める義務を課された。首都は、トゥイタトゥイの息子の代になって、帝国の歴史においてもっとも有名かつ繁栄した首都であるムアに遷都された。

(トンガの航海カヌー 帝国の海軍)

交易帝国の成功は、海軍力に大きく依っていた。帝国の軍船は逆三角帆を備えた航海カヌーであった。もっとも大きな船の場合、最大100人まで搭乗可能であった。

トンガの繁栄を支えたのは強大な海軍力であった。交易を通じて得た莫大な量の富と貢税が、国庫へと流入した。

帝国の首都であるムアは、紀元前500年以前に創建された。とはいえ、その正確な日付は不明である。トンガの文化については殆ど知られていないが、しかし、トンガの人々が道路と運河の洗練されたシステムを有していたことは明らかである。人々はまた大きなピラミッドを建造し、それ以外にも大きな石の建造物を造った。

(出典:ウィキペディア トンガ大首長国)

ムー大陸の存在が科学的に否定されたことから、ムー大陸の正体をトンガ大首長国のような「海上帝国」であるとした、「合理的解釈」も見られる(実際にトンガ大首長国の最盛期の領域は、伝説のムー大陸に匹敵する規模である)。ただし上記の通りチャーチワードの主張そのものに問題があり、それを元に合理的解釈を加えても意味が無いとする反論がある。(出典:ウィキペディア ムー大陸) 

 

 

 



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