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T-10 横浜都(特別区連合)・海都(自由都市)構想、横浜市への提言
        
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T‐10 横浜都(特別区連合)
・海都(自由都市)構想、
 横浜市への提言


(海都構想)
*将来の道州制における海都横浜を考えたい*
シンガポールや香港のような海都は国際自由貿易港である。

(横浜都構想)
横浜行政区を横浜特別区にかえるために、横浜市を横浜都にかえる必要がある。行政区区長は市長に任命される。
区長は区民の民意よりも横浜市長の意向を優先する。 特別区区長は選挙で選ばれ、区民の民意が行政に反映される。

本来、基礎自治体は、市民団体型の自治が望まれます。しかし、日本では行政の力が極めて強く、市民の民意が行政に反映することは少ないように思う。

近年、行政コスト削減のために基礎自治体の大規模化を促進しているが行政コスト削減は基礎自治体連合でもできる。 連合の方が、自治体同士の連携、共同事業、民間会社への委託を選択・組み替えが容易である。
行政コストを柔軟に削減、既存の自治体の領域に縛られることのない*専門サービス型自治体*による削減*ができる。

*専門サービス型自治体*
後述の横浜市への提言
(アメリカの市民団的市町村及び専門サービス型自治体)参照のこと

*効率的な行政コスト削減*
都道府県、市町村を越えた基礎自治体の提携、場合によっては、国境を越えた都市提携による行政コスト削減
http://rinoaguri.rakurakuhp.net/i_735079.htm

http://rinoaguri.rakurakuhp.net/i_735082.htm


(海都・自由都市)
これからの国際都市は国境を越えて提携するようになる。国家と都市の利害が対立した場合、中世ハンザ同盟のように都市が連帯して国家と対立する事態も考えられる。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/ ハンザ同盟
「ハンザ同盟は、中世後期に北ドイツを中心にバルト海沿岸地域の貿易を独占し、ヨーロッパ北部の経済圏を支配した都市同盟である。」
「政治的・軍事的連合としてのハンザ同盟は、1370年、1435年の2度にわたってデンマークとの戦争に勝利して諸特権を認めさせた。
しかし15世紀にはカルマル同盟を結んで北欧諸国を統合したデンマークに敗れてバルト海の覇権を失った。」

「リューベック、ハンブルク、ブレーメンなどかつてのハンザ同盟の中心都市は「自由ハンザ都市」を称して中世以来の都市の自由をうたっており、21世紀の現在もなおハンザ同盟の遺風を残している。」

海は世界につながる。横浜都は、国境を越えて、世界の各都市と提携することで、国際自由都市・横浜海都にできる。 横浜都を横浜海都に成長させ、将来、実施されるであろう道州制において都市州にしたい。

中世ハンザ同盟で活躍したドイツの自由都市ハンブルクとブレーメンは、現在のドイツ連邦共和国でも独立した都市州として扱われる。現在、日本でも道州制が検討されている。 国際都市・横浜は貿易を盛んにするためにも中世ハンザ都市のような自由都市にすべきである。 自由都市・横浜は道州制においては独自の自治権を持つ都市州になることで大きく発展すると考える。 都市州を都と定義してもよく、将来の道州制において、横浜を単独で横浜都(横浜都市州)に昇格させるべきと考える。


(大阪都構想と横浜都構想)
2010年1月27日 読売新聞に次のような記事が掲載されている。

「2月6日に就任2年を迎える大阪府の橋下徹知事が今年に入り、大阪府と大阪市を解体・再編する構想に繰り返し言及し、波紋を広げている。 橋下知事は26日、報道陣に改めて府市再編構想をぶち上げた。 知事の再編イメージは▽府と市の投資部門などを一本化しアジアの都市に対抗できる広域行政体を作る▽大阪市内に人口30万人規模の特別区を複数設ける――など。 東京都と23特別区の関係に近い、大阪都構想と言える。実現するには、国が地方自治特別法を制定し、府民、市民による住民投票で過半数の同意が必要という。」 

橋下大阪府知事の大阪都構想は大阪府、大阪市を廃止し、新たに大阪都を設置する構想である。

橋下知事と大阪維新の会の構想では、政令指定都市である大阪市・堺市と大阪市周辺の市を廃止して特別区とし、特別区となった旧市の行政機能や財源を「大阪都」に移譲・統合することを目的としている。
横浜都構想は横浜市単独で横浜都に昇格することをめざす。
神奈川県や川崎市等の周辺都市との統合による神奈川都構想は県や各都市の利害関係が複雑で現実的ではない。
横浜都は大阪都とは異なり特別市に近いものになると考えらる。
特別市は戦前、東京市.京都市.大阪市の3市に認められた制度で、区長は公選とし有権者の解職請求の対象にもなる。







れども、特別市の区は単なる行政区です。法人格を有し、区議会を持つ区ではありません。

   出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/ 大阪都構想

http://ja.wikipedia.org/wiki/ 特別市

区長公選、区議会制度を持つ都は、特別市よりも、優れた住民自治が機能する。
現行の制度では特別区は都にしか認められていない。
このため、横浜特別市ではなく、さらに住民自治の発達した横浜都に昇格させることを望みたい。

大阪都構想は行政区を特別区にかえる点では、横浜都構想と共通しています。
しかし、大阪都構想は東京都をモデルにした、大阪府と大阪市の合併を主目的としている。
トップダウン方式で成立した都区制度と類似している点が気になる
横浜都構想では、横浜都を特別区を基礎自治体とする基礎自治体連合と位置づけている。
東京都の場合でも、都の力が強く区の力が弱いそのため東京特別区は横浜行政区よりはましであるが、区民の民意が区の行政に反映されているとは考え難い。

参考
http://www.jichiro.gr.jp/jichiken/report/rep_aichi33/03/0325_ron/index.htm
   特別区が自立するための財政システムの一考察
   ―― 特別区への地方交付税適用とその問題点 ――
葛飾区職員労働組合・葛飾地方自治研究センター 井上 洋一
「特別区は事務や税制、財政などの基礎自治体としての権限が制約されている。」 「東京都が広域と基礎自治体の両側面をもつという性格は変わらず、特別区は基礎自治体としての役割を十分に果たすことができていない。」 「地方交付税は、地方交付税法に基づき、地方団体間の財政力格差を是正するために税収不足を補う目的でなされる財政援助である。」 「連合して1つの市を形成するという構想は、第2次特別区制度調査会報告(2007年)が「基礎自治体連合」として提案しているものである。 それによれば、特別区各区が市となり連合して1つの市を形成し、大都市事務や財政調整を行うことになる。」
「国、都、区の均衡を崩さず、現行の地方交付税制度に影響を与えないで、特別区が市になるには、特別区各区が連合して、都市連合を形成し、地方交付税を適用し、市となる方向が、 1つの選択としては成り立つのである。しかし、その場合、普遍的な自治制度としての都市連合が求められるのである。」


(移民、区への税源・事業の譲渡)
また、横浜には外人労働者が多く、今後、移民問題が深刻化すると思います。
移民問題は湾岸の区に集中すると思います。
湾岸各区の不満が高まる可能性があります。
特別区に変更することで、各区に税源と事業を譲渡することが、問題の解決に役立ちます。
現場への権限の移譲により、柔軟な行政を期待することもできます。
区単独の収支を明らかにすることで、移民のプラスとマイナスが、区民にもわかりやすくなります。
移民との融和等の地域社会住民の努力が、税の地域社会への還元、減税という形で報いられることが可能になります。

横浜市は近年、国が、税源と事業を市町村に移したこともあり、財政規模が大きくなりすぎました。
財政は大きくなれば粗雑になるものです。
行政区を特別区にかえることでボトムアップによる緻密な地方分権を実現したいと思います。

また、地域住民が主体となる新たな自治の時代においては、大都市制度の変更は、知事という行政の長ではなく、地域住民から提案すべきであるとも考えます。このため、横浜市構想をネットで提案しました。

都を首都と考え、複都制の議論もあるようです。
しかし、都を大都市制度に認められた地方自治法における都市行政の特例と考えるのが妥当だと思います。


(首都における基礎自治体)
従来、西欧の首都では、コミューン(日本の市町村にあたる基礎自治体、特別区も基礎自治体です)を廃止していました。
けれども、近年、首都にも基礎自治体の復活が始まっています。
この動きについては後に記載した海外の自治体(財団法人自治体国際化協会 世界各国の地方自治体の報告書より)を参考にしてください。

日本の大都市制度は、首都・東京に基礎自治体である特別区を置く等、西欧の大都市制度とは異なる展開をしていました。
西欧で、首都のコミューンを廃止したのは、革命等の内乱を危惧したためです。
首都のコミューンが革命の温床になることは、フランスが、よい例です。
フランスのコミューン(基礎自治体)は規模が小さく日本の町内会程度のものも多いように思います。
欧州では、キリスト教の教区が、コミューンの基礎です。
今でも、共同墓地の管理は、コミューンの重要な業務です。
コミューンは基礎自治体ですが、神社を中心に活動する日本の町内会に似ています。
極端な言い方をするのであれば、フランスで、何度も、繰り返された革命はパリの町内会が、おこしていたようなものなのです。

日本では、御上の権威が、極めて強く、東京の町内会による革命等、考えられません。

日本では、特別区とはいっても、町内会をトップダウンで指揮監督します。ボトムアップで民意を反映させる欧米の基礎自治体ではありません。 このため、首都・東京においては、官僚の意図を速やかに遂行する行政機関・特別区が基礎自治体として置かれていたともいえると思います。 もっとも、選挙で区長と区議会議員が選ばれるため、民意の反映という点では行政区よりも特別区の方が、優れていた点では評価できます。

下記のサイトのパリ・コミューンの乱の記事はパリ市民の自治体(コミューン)が革命にはたした役割をよく説明しています。 パリ・コミューンの乱の後、 パリ市民の自治体(コミューン)が廃止されてから、フランスでは革命がおきなくなりました。 しかし、現在、パリでも住民自治とコミューンが復活しようとしているのは、民主主義が、定着し、コミューンが革命の舞台になることもないと考えられているからだと思います。

http://www.kobemantoman.jp/sub/105.htm
「パリ市民は、コミューンの直接民主政を掲げて、政府軍に対して各地区で武装蜂起し、指揮官を虐殺するなどの行為に出た」
「ティエールはパリ市民の自治体(コミューン)による反発を防ぐため、国民軍の武装解除を目的として、モンマルトルとペルビルにある国民軍の中央委員会の大砲を奪取する作戦を政府軍に発した」
「国民軍中央委員会による、パリ市民による自治政府・パリ=コミューンが誕生した」
「第二帝政が倒れて第三共和政が立ち上がるものの、これに不満なパリ市民が自治組織(コミューン)を立ち上げて抵抗する」


       横浜市への提言

数年前に、地域社会から横浜市に、この提言の提出を考えました。しかし、横浜は大阪と比べ役所の力が強く、実現できませんでした。

区長を選挙で選ぶことは当然のことで、反対される理由はありません。けれども、横浜市の区長が公選になれば、エリート職員のポスト(区長)が、18も減ることになります。 また、公選区長は区民の人気をとるため、一般職員にも厳しくなります。このため、横浜市の職員は公選区長を望まないのではないかと思います。 それに、横浜市にも多くの利権があります。今の体制で利益を受けている業者も変革を望まないと思います。

橋下氏には独裁的であるとの批判もありますが、知られることのなかった政令都市における区長の公選問題を明らかにしたことは評価できます。 上記、横浜都構想、海都(自由都市)構想はこの”横浜市への提言”を基礎にしたものです。読者には、この提言も参考にして、横浜都の問題をお考えいただければと思います。

一 横浜市構造改革

1  横浜市・行政区を横浜都・特別区とすること

(市町村合併の利点と欠点)

近年、行政コスト削減のために市町村合併が行われました。 合併の利点として「住民の生活行動圏に見合った行政サービスの広域化」「住民サービスの高度化」「地域づくりの進展 」「行財政の効率化」「施設の効果的配置 」「行政能力の向上 」 「行政の高度化・専門化 」「大型事業の実現 」「権限の拡大」等が、挙げられます。

しかし、欠点もあります。合併後に庁舎の存在する中心地域は栄えるが、中心から離れた周辺地域は寂れます。公共事業は利便性のため中心地域が先ず優先される。 一方で周辺部においては公共事業が実施される機会が少なくなります。中心部と周辺部の地域格差が拡大する。従来の歴史、文化、各種伝統行事といった地域の特徴も失われる恐れもあります。

役所や公共施設への距離が遠くなって不便になるために行政サービスが低下します。 町村から市に移行した場合、以前は安かった公共料金が合併で大幅に値上がりして住民の負担が増大することもあります。 それでも行政組織が大きくなり議員の数が減少して住民の意見が行政に反映し難くなるため住民は役所の言いなりになるしかありません。 「行政の大型化」と「役人の権限の拡大」が様々な弊害を生じ住民の不満は大きくなります。


(区長や区議会議員を住民が選挙で選ぶ自治体=東京特別区)

東京都でも行政コスト削減のために特別区の廃止を求める意見が出ました。しかし東京特別区は今日まで自治権の拡大と独立の強化を求めてきました。 以前、東京都特別区は地方公共団体ではありませんでした。けれども区民の努力で地方自治法が改正され1975年に区長公選制が復活しました。 そして2000年に東京の特別区は「基礎的な地方公共団体」と規定されました。このため、特別区では、区長や区議会議員が、選挙で、選ばれます。特別区は条例を制定することが、できます。 割り当てられた住民税の使い道を決めることができます。

しかも世田谷区などは1920年には約4万人であった人口が2005年には約84万にまで増えています。また大田区は人口約67万人で羽田空港の沖合拡張工事の埋め立てで面積が拡大し最大の区になりました。 このため特別区側では地域を発展させるためには独立を強化すべきだとしています。


(市町村連合)

市町村合併は民主主義の視点からも見直しを求められる。民主主義における税の基本はその使い道が住民によって決められることにあります。 基礎自治体の人口が多くなればなるほど住民の意見が行政や税制に反映する機会が失われます。そのため、政治に無関心な人が増えました。 民主主義が形骸化し役人独裁になりました。税制や行政への一人一人の意見が論議されることが民主主義の理想です。 行政コスト削減は必要ですが民主主義を守るために市町村合併ではなく市町村連合によるコスト削減が求められるようになりました。


(欧米の小規模自治体)

欧米では市町村連合による共同事業が盛んです。 例えばスウェーデンの県では政府の出先機関であるレーンが県内における法律的・行政的許認可や警察の運営を行うのに対して、市町村の連合体であるランスティングが公立病院や福祉施設の管理・ 運営など住民に密着した行政を行ないます。(財団法人 自治体国際化協会 スウェーデンの地方自治)

欧米の基礎自治体は規模が小さく人口2000人未満の自治体も多い。日本の市町村は経費の節減を目的とした合併により規模が拡大しましたが、欧米は自治体同士の連携、共同事業、民間会社への委託により、 住民の多数が、税制に関与出来る民主的な小自治体を残しました。


(アメリカの市民団的市町村及び専門サービス型自治体)

アメリカでは市町村は住民投票などによって自由に結成されます。アメリカの自治体はその存立の基本からして市民団体に近い。市長や市議は通常、ボランティアだという。 カリフォルニア州の場合は5万人以下の市なら月給400ドル以下、3万5000人以下なら月給300ドルなどの報酬額が定められています。これでは生活できないから、市長や市議は通常、他の仕事をもっています。 市議会や市行務の仕事は夜、行なわれます。市議の数も通常5人から10人程度で少なく、夜開かれる市議会は住民集会のようなもので、市民が自由に参加でき発言さえできます。

また、市町村を作らない自由もあります。市町村税を払いたくない人は市町村のない地域に住むと住民税が安くなります。 しかし郡の提供する行政サ−ビスしか受けられません。またアメリカには専門サービス型の自治体があります。 代表的なのは学校区ですが、警察保護区、水道区、大気汚染監視区、交通区、蚊駆除区、等、多くの分野に特別区自治体があります。(アメリカの自治体制度 岡部一明 東邦学誌2001年6月)

よりよい教育、治安、環境等を希望する住民は自治体を作るか希望する行政サ−ビスを行う自治体に引越しそこで税金を支払うという選択可能な税制です。 専門サービス自治体はコスト削減のために複数の市町村に跨る場合もあります。


(多様な税制と行政サ−ビスの選択)

今後、日本でも多様な税制と行政サ−ビスの選択が求められます。公共事業は小自治体でできないものを多様な自治体連合で行うのが理想です。 我が国においても民主的な小自治体を再生させ多様な自治体連合で補完させる制度を確立すべきです。


(横浜市行政区の問題)

現在、特別区は東京府と東京市が合併した東京都にしか認められていません。 しかし地方自治法第3条は「地方公共団体の名称は従来の名称による。」としているだけで都を東京都に限定しているわけではありません。 東京都以外にも都ができれば特別区も新しくできる可能性があります。大阪市と大阪府の合併が検討されたこともあります。合併していれば大阪都と大阪特別区ができました。.

横浜市の人口は約350万人で東京都に次ぐ人口です。横浜市は面積も広く大阪市(人口は約266万人で第三位)の面積の倍もあります。経済力は、大阪市に劣ります。 けれども、国際化と移民の増加により、横浜の経済は急速に発展します。大阪を凌ぐ可能性もあると思います。

また、現在、道州制が検討され市町村の再編成が問題になっています。地方分権、住民自治を重視するのであれば横浜市行政区は道州制導入時に横浜市特別区として再編したほうがよいのではないでしょうか。 現在、横浜市の行政区は市から派遣されてくる区長が横浜市の利害で行動します。

また、近年、所得税が下がり住民税が高くなりました。このため横浜市の財政規模は著しく拡大しました。大都市の利権は極めて大きく一部の団体が利益を受けることもあります。 飛鳥会事件では反社会勢力が大阪市の公共事業受注で大きな利益を得ていることが明らかになりました。横浜市でも反社会勢力が利益を得ている可能性があります。 監査や組織の再編により反社会的勢力による不正の防止に努めるべきです。区への財源と事業の委譲は癒着を断つのに有効と考えます。横浜市の人口は約350万人で東京都に次ぐ人口です。 横浜市は面積も広く大阪市(人口は約266万人で第三位)の面積の倍もあります。

巨大な横浜市を分割せずに現状を維持することは無理があります。また、現在、国は人口30万人程度の都市を基礎自治体とすることを考えています。 このため港北区(323,358人)、青葉区(300,444人)戸塚区(271,722人)鶴見区(269,538人27万人)は、現状で、特別区として基礎自治体とすることが望ましいと思います。 その他の行政区も30万人程度にまとめ、特別区としたい。平成12年度(2000年度)の国勢調査によれば横浜市の昼夜間人口比率(常住人口(夜間人口)に対する昼間人口の比率)は90.53068なっています。 横浜市の昼夜間人口比率は低落傾向を示していたが1990年代初めに底を打ち上昇傾向に転じたといいます。

また、これから国際的な自治体間の移民、貿易、情報の交換等の提携が始まります。けれども国際的な自治体提携には住民の把握ができる小自治体の方が、有利です。 このためにも横浜行政区を特別区にしたいということです。


注:三で参考資料として
(自治体国際化協会 公開資料)(アメリカの自治体制度 岡部一明 東邦学誌 第30巻第1号、2001年6月)(ヨーロッパの自治体制度 岡部一明 東邦学誌 第31巻第2号、2002年12月)より海外の市町村合併、大都市・行政区の自治について記事を抜粋しました。欧米では日本と異なり住民自治を守るために小自治体を残すことを重視していることがよくわかります。


2 固定資産評価審査委員会を区に設置すること

固定資産税は路線価と異なり3年に一度の固定資産の評価替えで決定します。 このため土地の暴落時には時価よりも高い評価固定資産課税台帳価格に不服がある場合、固定資産評価審査委員会に審査を申出ることができます。 しかし固定資産評価審査委員会は委員の選任が不透明で形骸化しています。固定資産評価審査委員会を独立した公選制にすることで公平な審査を実現したい。 また横浜市は広く固定資産評価審査委員会を維持し難い。区に固定資産評価審査委員会を公選で設置し委員の選任を透明にすることで活性化したい。

参考:オランダでは不動産評価は不動産税法に基づき公平中立な不動産業者で委員会を作り、そこで評価額が決定される。
(自治体国際化協会)

:アメリカのASSESSOR(課税評価官)
  日本の固定資産評価員制度のモデルとなったと思われる課税評価官は、選挙等で選任され、自己の名義で評価通知書又は課税通知書を送付し、不服申し立ての第一次の名宛人となり、 非常に重要なpostである。一般的に、北部の州では、市町村が評価の主体となり、南部では、countyが評価の主体となるようであったが、 課税評価官は、それぞれ主体となる自治体に属する(独立性は強い。)日本の固定資産評価員制度は形骸化しており、アメリカの制度を参考に再度見直す必要があるのではないか。
(財)資産評価システム研究センター  評価センタ−閲覧室
http://www.recpas.or.jp/jigyo/report_web/html-e/hone022.htm


3 教育委員会を区に設置すること

1948年に教育委員会が設置された当時、教育委員会は地方自治体の長から独立した公選制・合議制の行政委員会で、予算・条例の原案送付権、小中学校の教職員の人事権を持っていました。 しかし1956年に公選制の廃止と任命制の導入が行われ教育委員会による予算案・条例案の送付権が廃止されました。教育委員会が公選制でないために文部行政の末端となっています。 更に教育委員会には市町村教育委員会と都道府県教育委員会があり都道府県教育委員会が市町村教育委員会の独自性を阻害しています。つまり官僚的な組織が学校の主体性の発揮を阻害しているのです。 区に文部科学省や都道府県教育委員会から独立した公選制教育委員会を設置したいと思います。

公選制教育委員会により幼稚園から高校の教育体制を完成させるべきです。また地域コミュニティの社会教育・生涯学習部門を管理・運営し地域を振興したいと考えます。 地域内の学校が安全で教育レベルが高い場合、土地の地価が高く、地域の固定資産税の税収を増やします。不良の多い学校の周辺は土地の時価も低くスラム化する傾向があることにも留意すべきです。

注:三の海外の自治体参考事例 アメリカの学校区は課税権や借入権限を有する独立した政府機構である。固定資産税は学校区の唯一の主要地方財源である。


4 地元企業グル−プと役所で構成する公共事業削減公開討論会の設置

公共事業費を減らす民間企業からの提案は重要です。民間企業の提案を地元企業グル−プ(法人会、商工会議所等)でまとめ、役所と公共事業費の削減について公開討論する場所が必要だと思います。 例えば、警視庁など全国十都県の警察本部から信号機の保守管理を請け負っている日本交通管制技術(横浜市西区)が数十億円、所得を隠し巨額の法人税を脱税していました。 日本交通管制技術は元警視総監や警察OBを顧問や役員に迎え警察との深い関係を背景に業務を拡大していました。 社長 の天門太陽は1999年5月31日、東京地裁で懲役3年の実刑判決を受け、2001年2月16日には、東京高裁で 控訴が棄却され最高裁に上告中です。

交通関連設備を専門に扱い施工する企業とその関連企業の資本、役員、営業形態(入札)はどのようになっているのかについて極めて不透明です。 規格も統一すればコスト削減になると主張する民間企業もあります。交通標識だけではなく不透明な公共事業は多い。公共事業費の削減についての専門企業からの提言を公平に公開討論すべきだと考えます。


5 重要な公共事業は税金だけではなく寄付金を募ることで予算を確保すること

平成21年4月1日現在で納税者は国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、「特定寄附金」を支出した場合には、所得控除を受けることができます。 しかし、特定寄附金として認められる要件がアメリカに比べ厳しいためかアメリカでは年間2000億ドル(約20数兆円)を超える寄付が行われているのに対し、日本では約1000億円程度です。 世帯当たり寄付金額は、アメリカは約17万円、日本は約3千円です。
(フリー百科事典ウィキペディア)

(アメリカの市民団的市町村及び専門サービス型自治体)で取り上げたアメリカの専門サービス型の自治体は税金だけではなく寄付金も集め事業を行います。 公共事業、教育、治安、環境等 は役人が責任を持つものだという意識が日本人にはあります。このような意識が寄付金の相対的地位を低下させます。 役所からではなく地域社会からの公共事業を計画すべきです。不足する資金は恩恵を受ける住民と企業の寄付金の蓄積で補い優れた事業を行えば事業は後世に残ります。 予算不足による、その場凌ぎの事業は、残ることもなく忘れ去られると思います。

注:シンガポールには寄付金比例補助金
(Matching Grant from Government)があります。
地域住民に住民福祉サービスを提供する地域コミュニティCDC は実施事業に対し域内住民から寄付を募っていますが、寄付金1ドルに対し政府から3ドルの補助金が交付されることになっています。 日本でもとりいれることを検討してもよいのではないでしょうか。


6 地域社会を維持するコミュニテイー税の創設

(町内会の役割)
財政支出を改善するためには町内会の相互扶助や行政における役割を再評価し、再構築する必要があります。行政の基礎は町内会です。 地方分権の歴史的な原点である町内会が活性化しなければ本当の意味での地方分権とは言えません。 町内会は現在も行政の末端の民間団体として住宅環境、ゴミ問題や国勢調査、高齢者福祉・保健活動を行っています。

(町内会を存続させるコミニュテイー税が地域社会を守る)
近年、町内会は会員の減少により衰退しています。また町内会費を納めない住民が町内会の恩恵を受ける不合理も問題になっています。 このため宮崎市のように町内会費をコミニュテイー税として住民税に加算する市もある。町内会の会費を住民税に上乗せし住民税に加算するコミユニテイー税を創設することで地域社会を維持したい。


7 移民税制の確立(ふるさと納税を移民・外国市町村にも適用すること)

(1) 少子化高齢化により人口は減少します。人口が少なくなれば中小企業は従業員の確保が極めて困難になります。また不動産業も人口減により宅地を買う人、借りる人が減ることで衰退します。 バスや電車の乗客も半減し商店街にも客がいなくなります。

(2) 群馬県の大泉町は、日系ブラジル人の受け入れで活性化しました。しかしブラジル人の犯罪、不登校で麻薬に走る非行少年の問題が深刻になっています。 地元住民から役場へは移民への苦情が多数寄せられ地元住民と移民の対立は激しくなっています。

(3) 移民の住民税から町内会への寄付金、母国の市町村への寄付金を市町村の住民税から一定限度まで税額控除すべきです。日本が不況になった時に解雇されるのは移民です。 失業した移民は犯罪者になることもあります。「ふるさと納税」により外国の市町村に分けた税収で日系企業進出の基盤を作り解雇された移民の受け入れ先を母国に作ることもできます。 母国の市町村と提携し税を分け合う体制を築くことで移民の素性を把握できます。税を分け合う国際的な自治体の提携は防犯と企業進出に役立ちます。

(4) 町内会への寄付金を移民問題解決ボランテイアに報酬として支払うことができます。報酬を地元商店街の商品券を支払うのであれば商店街の活性化にも役立つ。


8 大企業優遇税制となっている消費税の改正と中小企業の国際化

(1) 消費税には大企業優遇税制ではないかという批判があります。それは輸出が免税だからです。消費地課税主義と輸出を増やすことが国益に成ることを理由として輸出は消費税が免税です。 けれども、直接、輸出を行なう中小企業は、極めて少なく大企業が利益を受けます。中小企業が下請けとして作った製品、部品等を大会社は輸出し還付金を受け取ります。 大企業が自社で部品を製造する場合は免税なのに、下請けが製造する場合には課税というのも説明がつきません。 インボイス等の裏づけ資料に因って下請け企業が製造した製品、部品が輸出されていく流れを明らかにすることで下請けの中小企業にも消費税の輸出免税で還付出来るよう改正する必要です。

(2) また、中小企業が、国内取引と同じように外国企業と取引できる環境を整える必要があります。 近年、アジアから日本にきた留学生や研修生の中は国に帰った後、日本の中小企業と取引する人がいます。日本人でも若者や定年後に夢や仕事を求めて海外にでる人がいます。 このような人が増えると日本語で取引できます。相手が信頼できるのであればLCも必要ありません。国内取引と同じように銀行振り込みで決済できる。 日本語によるコミュニケ−ションと信用が中小企業を国際化し輸出を増やします。

9 都市州

 道州制については大阪市、横浜市・名古屋市の3市は共同で、一般の道や州から独立した「都市州」を創設することを提言しています。 都市州はドイツのハンブルグ、ブレーメンが有名です。中世ヨ−ロッパ、バルト沿岸では、都市同士が国境を越えて交易ネットワークを形成しハンザ同盟を結びました。 ハンザ同盟の中心であったドイツのハンブルクとブレーメンでは、今も自立性を保つ都市州で「自由ハンザ都市ハンブルク」「自由ハンザ都市ブレーメン」を正式名称としています。

そして、現在、ハンザ同盟はバルト沿岸諸国評議会として復活しようとしている。ヨ−ロッパでは、EUの役割が大きくなり国家の存在感が薄く成っているとも言われます。 都市が国境を越えて提携する時代が始まります。しかし、ハンザ都市の中で最も人工の多い都市州であるハンブルクで約174万人、ブレーメンで約55万人の人口です。 ハンザ都市はハンザ同盟の盟主だったリュ−ベックは約21万人であることからわかるよう30万人に満たない都市が多い。

このため日本においては「都市州」を創設する場合でも都市州の中に基礎自治体を作り(米国では大都市は市の中に郡を基礎自治体として置くことが多い)各自治体が国際的に自由に連携することが望ましいと考えます。


ニ 横浜市営地下鉄への技術革新と神戸市で利用されている水陸両用バスについて

1 シアトル地下鉄

以下にシアトルメトロの例を載せました。シアトルの地下鉄、郊外電車は2009年12月の開業を予定しています。 1990年に都心に線路が敷かれた地下トンネルが完成してから20年後に電車が乗り入れるという長期的な計画による開業です。 電車が通らない20年間、地下バスがメトロとして走っています。電車開通後はバスと電車が地下トンネルを共用する予定です。

シアトルのメトロには横浜市営地下鉄にはない時代や環境の変化に対応する柔軟性があるように思います。 横浜市は市営地下鉄建設時にハイブリッドバスと電車が地下トンネルを共用する計画を検討したのでしょうか?

日本は今後、少子高齢化します。人口が減少すれば地下鉄の利用も減る。地方でも人口の減少に伴い鉄道の廃線が増えています。 横浜市営地下鉄も将来、人口減により赤字になる可能性があります。思いがけない技術革新で横浜市地下鉄が無用になり廃線になる可能性もあります。 新たな交通機関が出現する可能性もあります。株式会社IHI(旧、石川島播磨株式会社)は2重のコンベアを持つため高速で安全で加減速可能な動く歩道を開発しています。 高齢者用電動カートも進化しています。高齢者用電動カートを乗せる高速レ−ンを地下トンネルに設置すれば高齢者の行動範囲は広がります。高齢者の運転免許の返上を促進することにもなります。

バスと電車が地下トンネルを共用する環境の変化に柔軟に対応するシアトル・メトロを参考に横浜の交通機関の未来を考えたい。シアトルは太平洋岸北西部地域の最大の都市です。 シアトルは天然の良港で貿易港です。シアトルは日本郵船で大きくなった町とも言われるように日本との貿易は歴史が古く盛んです。 横浜も日本郵船歴史博物館(元郵船横浜支店)、氷川丸が示すように日本郵船との関係が深く北太平洋航路によるアメリカと日本の貿易で栄えました。 また、イチロ−が所属するシアトル・マリナーズの筆頭オーナーである任天堂のアメリカ本社はシアトルにあります。横浜市の人口は3,671,611人ですがシアトル市の人口は563,374人です。 しかし、シアトルの都市圏の人口は 3,043,885人、広域都市圏の人口は3,707,144人です。

また、横浜市は市外からの所得が多く、市内需要が供給を上回り移入超過となっています。横浜市には横浜都民が多いともいわれる。シアトルは森林資源が豊富で木材工業、紙・パルプ工業が発展しています。 ボーイング、マイクロソフト、アマゾン、スターバックス等の誕生の地でもあります。シアトルの実質的な経済規模は横浜を凌ぎます。 横浜市営地下鉄と異なり鉄道やバスはシアトル市ではなくキング郡(面積 5,974平方キロ、 人口 173万7,034人)が運営しています。 シアトル中心部のメトロから乗り換えることなく郊外に行けるバス事業路線網はキング郡全体をカバーし、利用客からも評判が良い。 また、無料でインターネットが使えるバスもあります。その運営に関しては全米の中でも高い評価を得ています。

シアトルは通勤客のバスへの依存は高く、多くの路線が郊外からシアトル中心部へ集中していました。都心でのバス渋滞の解決策として地下バス路線が建造されました。 地上道路の渋滞を緩和するためにバスが集中していた都心の真下にトンネルが掘られました。空港へ向かうバス等がこのトンネル経由で運行されています。 1990年9月15日に開業したこのトンネルは全長2キロで、その間に5つの駅がありました。 このトンネルを走っているのはバスだけですが「線路」が路面電車のように敷かれています。 これは開業時からトンネルは電車が走ることを想定されて建設されたためです。

都市の中心部のトンネル区間全線は運賃無料のフリーゾーンとなっています。平日、休日に関わらず6時から19時の間は無料でバスに乗車できます。 市内への自家用車乗入れを抑えるため、公共交通機関を安価に設定しています。このトンネルは地下を走るということで、ディーゼルの使用は禁止され全線電化されています。 そしてトロリーバスでの運行となっていました。この電化はトンネル出口で切れるためトロリーバスは電化の終点に来るとポールを収納しディーゼルエンジンを始動させ走っていました。 バスはモーターとディーゼルエンジンの両方を備えた車両です(モーターとディーゼル・エンジンは分離した構造)。 切り換え操作は運転手が車内より遠隔操作で行われ1〜2分で終了しました。その逆も同じ作業でディーゼルエンジンからモーター動力へと切り換えられました。


現在、シアトル郊外電車は地下バスが走っているトンネルを通り国際空港の近くまでを結ぶ約15キロの路線が計画されています。2009年12月の開業を予定しています。 1990年に線路が敷かれたトンネルが完成してから20年後に電車が乗り入れてる長期的な計画です。

しかし長年の間に走行中に集電する架線式電気自動車架線集電式ハイブリッドトロリーバス(幹線道路では架線集電で電動機を回し、支線では内燃機関とトランスミッションで走行するタイプ)が開発されました。 従来、トロリーバスは架線のある所以外では走れませんでした。しかし近年、ハイブリッドカーに集電装置を取り付け、架線のない所も走れるトロリーバスが開発されています。 技術など取り巻く環境が変化したためバストンネルは2005年9月24日から改善工事で閉鎖され2年後の2007年9月24日にオープンしました。

以前、トンネル内ではバスはディーゼルエンジンから電気(トロリーバス)に切り換えて走っていました。しかし電車乗り入れ対応工事終了後はトロリーバスが走ることができなくなりました。 電力線を必要としないハイブリッドバスに置き換えられました。シアトル・メトロの車両は近畿車輛のものが納入されているそうです。電車開通後はバスと電車がトンネルを共用する予定です。

バスと電車が共用する多目的地下トンネルはおもしろい。このような多目的トンネルは前述のようにバスと電車だけではなく電気自動車や「高速動く歩道」「高齢者用電動カ−ト」も使える可能性がある。 地球温暖化問題に関する京都議定書のCO2排出削減目標を達成するために電気自動車の実用化は重要です。化石燃料への依存を減らすため電気自動車への関心が高まっています。 供用トンネルは電気自動車の普及に役立ち環境を改善する。公共輸送機関はシアトルのように最初から将来を考え20年の長期にわたって時代の変化に対応するほうが無駄な出費を抑制でき環境に柔軟に対応できる。

参考:フリー百科事典ウィキペディア 
   USA RAIL GUIDE(リンクフリー:サイト内にある画像は許可なく使用可)


2 神戸市 水陸両用バス

以下は神戸市や大阪市で観光用ではあるが実際に運行されている水陸両用バスの実例です。

このビジネスプランは、第2回 KOBEドリームキャッチプロジェクト[X-KOBE(エクスコウベ)]に認定されました。  「KOBEドリームキャッチプロジェクト」とは、「事業を興したい」という起業家はもちろん、「新規事業にも挑戦したい」という中小企業やベンチャー企業を対象としてビジネスプランを募集し、 神戸ビジネスプラン評価委員会が評価、認定。認定したビジネスプランを、(財)神戸市産業振興財団ワンストップで支援します。
(財)神戸市産業振興財団ホームペ−ジより
http://www.kobe-ipc.or.jp/dreamcatch/

羽田空港と横浜駅に水陸両用バスを走らせれば面白いのではないかと思います。
現在、そごうデパ−トに船着場があります。現在、みなと未来・山下公園と横浜駅との往来に使われています。 船着場に上陸した水陸両用バスは、そのまま目的地へ向かうため、乗換えの手間がありません。横浜方面から、羽田に向かう場合にも原理です。 水陸両用バスを羽田と横浜の往来にも使えば、交通の利便性は高くなります。また、横浜観光の宣伝にもなり、観光客を増やすこともできるのではないのでしょうか。

また、JR鶴見駅から東京湾へ向かう鶴見線の終点、海芝浦駅から水陸両用バスを乗り入れるのはどうであろう?
鶴見線を電車もバスも通行できるシアトル地下鉄のようにすれば、羽田空港から鶴見駅まで渋滞せずにくることができます。そして、JR鶴見駅から、鶴見川に抜けて羽田に周遊させるのもおもしろいと思います。

三 参考 海外の自治体
(財団法人 自治体国際化協会 世界各国の地方自治体の報告書より)
http://www.clair.or.jp/

1  市町村合併の参考事例

ドイツの自治体:近年、日本では市町村合併がおこなわれてきました。日本では規模を大きくすることで行政コストが削減できるとされ市町村合併が推進されてきました。 しかし欧米では大都市の経費節減のために行政区への権限の委譲された例もあります。また、ドイツの共同税のように税務当局が徴税を一括で請負、国と地方で配分する税制も存在します。 また、IT技術の進化により市町村を合併しなくても事務組合により行政コストを削減することができるようになりました。

フランスの自治体:フランスの自治体では合併の代わりにコミューン間広域行政組織が大いに活用され成果をあげています。

スイスの自治体:スイス連邦の市町村数は減少傾向にあります。2000 年以降、特に合併傾向が進んでいます。 合併においては、面積や人口規模の標準を定めることなく、経済的、地理的、日常生活を考慮して自然な流れで合併に至ることが多い。 国内に多く存在する小規模の自治体は広範な権限を持っているが、財政力が弱く、公共サービスの提供に支障が出る場合があります。 しかし、このような合併の進展は大都市を出現させるものではなく、小規模市町村の比率を低下させ、中規模の市町村を出現させました。

スウェーデンの地方自治:
1952 年から地方部の小規模コミューンの合併が開始されました。 コミューンの適正な規模を3,000 人とし、最低規模を2,000 人とすることを目指した合併が進められ、合併の対象となった地方部のコミューンの数は約2,200 から約800 へと減少し、 平均人口は1,500 人から4,500 人へと増加しました。

(アメリカの自治体制度 岡部一明(東邦学誌 第30巻第1号、2001年6月)
アメリカでも安易な市町村合併策はとられていません。アメリカの1972年に78,269だった自治体数は1997年の87,504に増えています。自治体総数は増加しています。 広域自治体、による広域的な連携枠組づくりがとられています。

2  海外大都市の行政区
(フランスの大都市制度)
1982年12月31日に公布された大都市法は 、3大都市を対象としている。同法は、巨大化した市政を市民に近付けるために、「区」制度を導入した。 区に関わる部分以外では、リヨン及びマルセイユには一般のコミューン制度が適用され、パリに関しては前述のようにコミューン制と県制の合体等いくつかの特例が設けられている。

(パリ市 人口 2,170,000人 2007年1月現在)
1860年に市域が拡張されてほぼ現在の範囲となり、同時に20の行政区が設けられた。各区ごとに区議会と区長が置かれている。

(マルセイユ市 2005年の人口は約82万人)
16の区があるが、2区ずつまとめられて8連合区を構成し、連合区ごとに区議会と区長が置かれている。

(リヨン市 467,400人 2005年現在)
9の区に分割されている。各区に、区議会と区長が置かれている。
パリ、リヨンの区とマルセイユの連合区は、そのまま市議会議員及び区議会議員の選挙区となり、両者の選挙は同一の名簿によって同時に行われる。 すなわち、各区議会に当選した各党派の議員のうち、各党派・各区の名簿における上位3分の1が同区選出の市議会議員を兼ねることになる。 区議会の主な権限は次の3つにまとめることができる。第一に、市議会と市民の間の媒介役として、区内のあらゆる問題に関して書面又は口頭で質問し、これに対する市議会の討議結果を知ることができる。

第二に、市議会の諮問機関として、区内で行われる事業、区内で活動する団体への助成、市の管轄の公共施設(保育所、幼稚園、高齢者住宅等)運営の一般条件等について事前に意見を述べることができる。
第三に、地区の公共施設の管理機関として、その立地計画を決定することができる(ただし、公共施設の一部は市の管轄であり、また費用支出の最終決定権は市議会が有する。)。

区議会は区長によって主宰される。市長は区議会の召集を要求し、そこで発言することができる。区議会の議決は通常は市長から県地方長官に送付される。 区長及び区助役は、市議会における市長と助役の選挙と同じ方法で、区議会の中で互選される。区長は区議会内の市議会議員の中から選出され、助役の少なくとも1人は市議会議員でなければならない。 区助役の人数等の規定はコミューン議会の場合と同じである。市長が区長を兼任することはできない。

区長は区の代表と国の行政機関という二重の役割を持つ。国の機関として区長は、戸籍、選挙、義務教育、国民役務に関して市長の所轄する事務を行う。 区の代表者としては、区の土地利用、開発、公共施設整備等の事業に関して発言権を持ち、区内の公共住宅の半数の入居割当などの事務権限を市長から委任される。 市の予算との一体性と市議会の伝統的な権限を損なわないよう配慮しながら、区にはある程度の財政的自律が認められている。 投資予算の議決権は市議会が有するが、採決前に市長と各区長により構成される公共施設計画会議への諮問が義務付けられている。 経常部門については、各区議会は、毎年、当該議会の経常収支の内訳を明らかにする区財政特別報告書を採択し、市の予算の付属文書として市議会に提出される。 経常収入の大半を占めるのは市からの総合交付金である。各区に対する交付金の全体額は市議会によって決定される。

配分に際して区の合意が得られない場合には、総額の80%以上を直近3年間の実績をもとに決定し、残りは主として各区の社会的職業的人口構成を考慮して配分する。 経常支出は区の一般管理費及び公共施設の運営費等に充てられる。市長は区長の意見を聞いたうえで、一定数の市職員を区に配置する。 市長及び各区長の意見が対立した場合には、市議会が職員数又はその職種ごとの配分を決定する。 また市長は、各区に事務総長を、人口4万5,000人以上の区に若干名の事務次長を置き、市職員の中から区長の提案に基づいて任命する。区に配属される職員にはコミューン職員の身分規定が適用される。

ドイツ特別市(都市州)

ベルリン、ハンブルク、ブレーメンは行政区画上、一市単独で都市州を構成している。都市州は連邦州と同じく議院内閣制で、市長は市議会から選出される。

ドイツ都市州は特別市でもある。内部組織として行政地区が存在する。
(1)ベルリン特別市(都市州)
人口 (2008年8月現在) 3,426,354人
「ベルリン特別市」や「ベルリン州」とも表記される。
ベルリンの行政区画ベルリン特別市の行政区分としては12 の行政地区で構成される。 14任期4年の直接公選の議員からなる区議会は地域案件を決定するが、行政地区は条例制定権や課税権を持たず、完全な自治権は有していない。 区議会から区長と理事が選任され、執行部(理事会)を形成する。区長は理事会の議長を務め、対外的に当該行政地区を代表する。

(2)ハンブルク特別市(都市州)ハンザ自由都市
人口1,743,627 人 (2005年12月31日)
ハンブルク特別市は、七つの行政地区で構成される。区議会は任期4年の直接公選の議員から構成される。区長は区議会議員の中から選任される。
双方が受け入れる中立者に就任が要請される。
14 以前は23 区で構成されていたが、2001 年1月1日以降12 区に再編されている。るが、ハンブルク市議会(Senat)の承認を必要とする。区長は対外的に当該行政地区 を代表する。なお区議会は法的には行政委員会である。

(3)ブレーメン都市州 自由ハンザ都市ブレーメン
人口 663,467 人(2005年12月31日現在)
ブレーメン州は、ブレーメン市及びブレーマーハーフェン市の2市から構成される。
地区評議会(Beirat)
地区評議会はブレーマーハーフェン市にはなくブレーメン市のみの制度であり、基本的にひとつの地区事務所にひとつの地区評議会が設置されており、現在ブレーメン市全体に22 の地区評議会がある。 なお、その根拠規定は、「地区法(Ortsgesetz)」と呼ばれるブレーメン市の条例である。
この地区評議会は、第二次世界大戦直後のブレーメン市による周辺自治体の合併の際に、当該地域内に設置されたのが始まりであり、1971 年にはブレーメン市全体に拡充された。 なお、1地区評議会あたりの人口は、約2〜3万人で、多くても約5万人である。

この評議会の構成員(7〜19 名)は拘束名簿式比例代表選挙で選出されており、その任期は4年である。なお、その選挙は州議会選挙と同時に実施される。 また同評議会の会議の開催頻度は、大きな地区評議会で年間8〜12 回である。同評議会の主な任務には、ブレーメン市議会によって配分された各地域の予算の配分決定や市への要望事項の決定がある。 この他、自治権として住宅地域の交通規制権や姉妹区協定締結権を有している。 最低1名は司法試験の資格を有する者でなければならない。 市民からの要望は6週間以内に処理されなければならない。具体例としては、信号機の設置要望や工場地域の地域指定却下等があり、口頭若しくは書面で申請できる。 なお評議会が開催されていない期間は、地区事務所長宛に行うことになる。

(オーストラリア ウィーン市 1,697,982 人 2009年9月30日現在)
ウィーン市には23 の区が存在する。区の役割はウィーン州憲法に規定されており、この10 年ほどの傾向として市の事務を区に委任することが増えてきた。 区は市から委任された事務を市に返上することはできない。区には区議会が設置されている。区議会には予算の議決権はなく、市議会が各区に配分した予算を支出する権限が与えられている。 また区は地方自治体としての法人格は与えられておらず、市の内部組織とされている。

区議会議員の選挙権は国民及び欧州連合市民に与えられているが、2003 年5 月21 日に区議会議員の選挙制度が改正され、 新たに5 年以上ウィーンに居住しているその他の国民にも選挙権が与えられることになるとともに有権者の年齢が18 歳以上から16 歳以上に引き下げられた。 区議会議員の選挙は市議会議員の選挙と同時に行われる。区議会議員の定数は区の規模によって異なり、40 人以上60 人以下となっている。区議会議員選挙に立候補出来る者はその区に居住する者のみである。 区議会議員の選挙制度は比例代表制であり選挙区に分かれている。 区議会議員は市議会議員に同時になることはできないが、区議会によって選出された区議会議長は市議会本会議に出席して当該区に関する議事について発言することができる。 区の事務はウィーン州憲法第103 条に30 項目列記されており、以下はその例示である。

・ 学校及び児童保護施設の維持補修
・ 主要道路及び脇道の整備及び維持補修
・ 街灯の整備及び維持
・ 緑地の計画、整備及び維持
・ 老人クラブの維持補修
・ 官庁の維持補修
・ 市場の維持補修
・ 墓地の維持補修
・ 公衆トイレの整備及び維持補修
・ 児童用及び市民用プールの整備及び維持
・ 青少年福祉のための青少年クラブ
・ 区の文化関係事務
・ 区の広報事務

市職員で区の事務を担当している職員数は非常に少ない。
2002 年度の区の総予算は23 区合わせて1億5,000 万ユーロであり、市の全予算の1.6%に過ぎないが、区で実施されている行政施策の物件費のみが区の予算として計上されているだけであり、 行政事務を担当している職員の人件費は区の予算の中には計上されていない。

(英国 ロンドン)
ロンドンでは、1888 年に従来の非公選議員から構成されていた都市作業委員会に代わり、他のカウンティよりも広範な権限を有するロンドン県が成立した。 さらに、1899 年には、ロンドン県の基礎的自治体となる28の旧ロンドン区が設置された。なおこの他に、中世からの伝統を有する、特別な地位のシティがある。 更に1965 年には、「1963 年ロンドン地方自治体法」に基づき、ロンドン県に代えて、ミドルエセックス県の全部とエセックス・サリー 及びケント各カウンティの一部を合併して行政区域を拡大した大ロンドン市が設立された。

また、大ロンドン市の基礎的自治体として32 のロンドン区が設置されるとともに、シティの特別な地位も再確認された。街全体が大ロンドン庁として広域と同レベルである。 その中の32の区がバラ(borough)である。また中枢部に中世からの伝統をもつシティー(City of London)が存在することも特異である(後述?参照)。ロンドンには以前は大ロンドン県 (GLC, Greater London Council)がおかれていたが、保守党政権下の1986年にこれが廃止され、以後長らく、ロンドンには細かい区(borough)しか存在しなかった。

労働党政権下2000年に、再び全体を管轄する大ロンドン庁(GLA)ができた。 ア、公共交通、イ.地域計画、ウ.経済開発及び都市開発、エ.環境保全、オ.警察、カ.消防及び緊急計画、キ.文化、メディア及びスポーツ、 ク.保健衛生などの分野でのロンドン全域に係る企画・調整を行うことである。なお、住民への行政サービスは従来通り、ロンドンの基礎自治体である32 のロンドン区とシティが行う。

(ストックホルム・コミューン)
首都であり、人口約75 万人のストックホルムは市の区域を18 に区分し、1997年より各区に「区役所」として住民の日常生活に最も近い事柄について所管する区域委員会がおかれている。 1980 年代に実施されたフリーコミューンの実験を経て、1991年の地方自治法の改正によって、地方自治体に執行委員会と選挙管理委員会以外に、どのような委員会を置くかの決定は各自治体に委ねられた。

フリーコミューンの実験によって、いくつかのコミューンに導入された、コミューン内のさらに小さい地域区分に対して包括的任務をもつ「区域委員会」や、 特定の施設を運営することを任務とする「施設運営委員会」の設置を可能にしているのは、地方自治法第3章第4条に規定された以下の原理である。

・ 議会は委員会の所管分野及び委員会相互の関係について定める。この決定にあたり、議会は以下のことを決定することができる。
・ ある委員会がコミューンの全域又は一部の地域において、一つ以上の事業を担当する。
・ ある委員会が一つ以上の施設を担当する。
・ ある委員会が他の委員会に従属する。

自治体の組織構成に対する裁量の範囲は1991 年の地方自治法改正によって拡大したが、自治体の事務事業そのものに変化が生じたわけではないため、一般的権限に基づく事業を所管する任意の委員会と、 特別法に規定された各事業を所管する何らかの形の委員会を組織する必要性はある。

フリーコミューンの実験期間を通じて、また1992 年以降、多くの自治体において組織改革が進められ、区域委員会制度が取り入れられる傾向があったが、 必ずしもそれらの区域委員会制度が全て存続しているわけではなく、むしろ伝統的に採用されてきた分野別委員地会組織に戻すところもかなりあった。 また、区域委員会と後述の機能別委員会とを併用する組織体制をとるコミューンも多く、スウェーデンの地方自治体の組織改革は現在も進行中である。

委員会の設置に関する改革の過程を経て、各自治体の委員会構成を決定する基準として、現在スウェーデンの自治体において実際に採用されている組織類型としては、以下の3つとその複合型がある。
・ 分野別組織
・ 区域別組織
・ 機能別組織

1 分野別組織
伝統的に採用されてきたモデルであり、1991 年以前はフリーコミューンに参加していたパイロット自治体を除いて全てのコミューンにおいてこのモデルが採用されており、 自治体はいくつかの分野については特別法により委員会の設置を義務付けられていた。現在でも分野別の委員会をもつ自治体は多いが、人口構成や事業目標にしたがって、 殊に社会サービスについては、さらに細分化した委員会を設置しているところが多い。 (高齢者ケア、障害者ケアなど)議員は特定の事業分野を所管するそれぞれの委員会に割り当てられ、その事業分野についての事務部局と共同して事業を管理する。

(米国 ニューヨーク市)
ニューヨーク市は1810年以来、継続して合衆国最大の都市となっており、その住民数は第2、3および4番目の都市の人口を合計した数にほぼ等しい。 1997年の人口は734万2,636人である。ニューヨーク州の住民の40パーセントは、ニューヨーク市に在住している。 ニューヨーク市は、ニューヨーク州の中で唯一の統合自治体で5カウンティあるが、カウンティ政府は存在せず、村、タウンや市内の自治機構もない。 ニューヨーク市では市長のほか、会計検査官と護民官が住民により選出される。議会は護民官と51人の議員から構成されており、各議員は選挙区を代表している。 近年ニューヨーク市は、政府が市民からかけ離れ近づきがたくなったという住民の批判に応えて分権化を推し進めた。そのうちもっとも重要な施策は、59のコミュニティ委員会の設立である。

区長 ニューヨーク市の5区の区長は各区の行政官として機能し、任期は4年間である。 区長の主要な責務は、市長と協力して執行予算を組み、区予算の優先事項を直接議会に提出し、主要な土地利用決定を審査・評価し、市の施設用地を予算に従って提案し、 区内の市サービスの提供を監督・修正し、区の戦略的開発に参加することである。

ニューヨーク市には市民の権利を守るために護民官の制度がある。護民官は、市のサービスに対する消費者代表として公選される。 任期は4年間で、護民官は議会の議長を務めるほか、条例案を提出できる。護民官はまたすべての委員会における職権上の委員であり、議会の協議に参加することもあるが、投票数が同数の場合以外には投票しない。 さらに護民官は市のサービスに対する不服申し立てや市機関の住民に対する対応を調査し、市機関業務の向上に関する提言を行い、業務手続きを評価し、市のサービスを受けられない市民や、 市機関から支援または返答を得られない市民のためのオンブズマンとしても機能する。

(アメリカの学校区)
学校区は課税権や借入権限を有する独立した政府機構である。
教育資金の調達固定資産税 2、3の例外を除き、固定資産税は学校区の唯一の主要地方財源である。 学校支出用の不動産課税額は、1998年〜1999年度中142億ドルであり、全学校の収入の50.7パーセントを占めている。 学校区は憲法上、また制定法上課税制限対象となっていないが、5大都市以外の学校予算は有権者の承認が必要とされる。

ただし、この住民投票の実際的効果は法律によりかなりの制限を受けている。 たとえば、有権者が予算提案を拒否しても、委員会作成による予算が過年度予算の一定増加率以内に止まっていれば、債務返済、教員の給与および「一般歳出と臨時費」を賄うために必要な課税徴収を行うことができる。 ちなみに1998年〜1999年学校年度の一定増加率は1.92パーセントであった。

ニューヨーク州の5大都市では、市議会が学校税の賦課徴収を決定する。予算は教育委員会が作成し、市議会に提出する。市議会は予算額を調整できるが、個々の予算項目を変更することはできない。 市議会が予算を承認すると、学校税は市全体の課税徴収に組み込まれる。 さらに、学校税の課税は憲法上制定された市の課税制限からバッファロー市、ロチェスター市、シラキュース市およびヨンカーズ市では2パーセント以内に、 またニューヨーク市では2.5パーセント以内に止めることが求められている。

(シンガポール 人口 4,737,000人 2008年現在)
シンガポールは都市国家であり、日本に見られるような地方自治体は存在しないため、住民への行政サービスの提供については、各省庁及びその関係機関が直接行っている。 しかしながら、住民への行政サービスの提供については、国が直接実施するよりも政府関係機関や民間が行うほうが効率的で、住民にとっても利便性が高いなどの理由から、 シンガポール政府は権限や業務の分散を図る傾向にある。

(1)市民諮問委員会
市民諮問委員会は、選挙区における草の根組織の筆頭としての立場にあり、区内の諸活動の調整、募金活動、国家行事の調整などを行っている。

(2)住民委員会
住民委員会は、公団住宅の住民を対象とし、住民委員会センターの管理や住民の隣人意識を高める各種講座や活動を主催している。 住民に政府の政策を伝え、住民の声を政府に届けるなどフィードバック組織としての役割も担っている。

(3)近隣委員会
近隣委員会は、民間住宅の住民を対象とし、コミュニティセンターや地域の諸施設の運営を行っている。

(4)コミュニティセンター及びクラブ運営委員会
コミュニティセンター及びクラブ運営委員会は、地域での文化や生涯教育、青少年育成、民族融和などの活動施設であるコミュニティセンター及びコミュニティクラブを管理運営している。 幅広い分野の講座や活動を提供するとともに、(2)の住民委員会と同様、政府と住民との橋渡し役も担っている。

(5)その他
その他、民間防衛実行委員会、女性活動実行委員会、高齢者活動実行委員会、マレー系住民活動実行委員会、インド系住民活動実行委員会及び青年活動実行委員会があり、 コミュニティセンター及びコミュニティクラブの活動の中枢の役割を果たしている。実行委員は、各地区の住民の中から選ばれるボランティアである。

(その他の地域行政関係機関)
シンガポールは都市国家であり、いわゆる地方自治体は存在しないが、住民の生活に密着した、身近な地域の課題を取り扱う組織が設けられている。 それが、社会開発協議会(Community Development Council:CDC、以下「CDC」という。)とタウンカウンシル(Town Council)である。CDC とタウンカウンシルは、それぞれ独立した機能を持ち、 CDC は人民協会の管轄下にあるが、タウンカウンシルは国家開発省の管轄下となっている。2つの機関は、福祉関係の行政サービスを提供するなど、地域住民にとって密接な関係のある組織となっている。

その運営には政府関係者だけでなく地域住民も関わっており、政府によって作られた「上からの」組織ではあるが、地域の課題等を解決し、地域住民の連携等を図るために活動する、 一定地域の住民による組織である。シンガポール政府は特にCDC について、将来的には地方自治体に近い形での機能や役割を担う組織にしたいという考えを明らかにしており、 コミュニティ組織としての発展だけでなく、行政組織としての機能拡大も期待されている

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